Thailand

Dairy Plus の飲むヨーグルトに適切なサイズと価格

2009 年に Dairy Plus が同社の飲むヨーグルトを Tetra Brik® Aseptic (テトラ・ブリック・アセプティック) 100ml ベース入りで発売すると、発売から 2 か月で売上は 4 倍を超え、さらに、2010 年以降はその 2 倍となり、2016 年には売上本数が 6 億 8000 万本に達しました。

ストーリーの概要

タイの飲むヨーグルト ブランドの最大手である Dutch Mill は、2006 年までの数年間で大幅な成長を遂げていました。 その後、この市場に否定的な報道が相次ぎ、市場は不況に陥りました。 それと同時に製品の価格が高騰し、一部の消費者には手が出せないほどになっていました。 テトラパックは、Dutch Mill グループの一部でありブランドのオーナーである Dairy Plus と協働し、ポートフォリオの合理化や、子供向けパッケージおよび大人向けパッケージのサイズの最適化に取り組みました。 価格を非常に手ごろな 1 コインの 5 バーツおよび 10 バーツに設定することで、当時増加していた低所得層の消費者をターゲットとして取り込むことに成功し、売上は次第に回復を始めました。 密接な協力関係に加え、現在も熱心に規模の経済を把握し生産コストを可能な限り低く抑えていることによって、8 年が経過してもその成長は衰えを見せません。

Dairy Plus の数字情報:
2017 年に 20 億個の容器を生産
30 を超える Tetra Pak® 充填ラインが稼働
600 名の従業員

Dairy Plus と Dutch Mill のポートフォリオ: 誰もが認めるカテゴリー リーダー

Dairy Plus は、タイにおいてテトラパックの最大のお客様であり、30 を超える充填ラインを稼働させており、2017 年の容器生産数は 20 億個を見込んでいます。Dutch Mill グループは 1984 年に設立され、Dairy Plus は、飲むヨーグルトにおいて普及していたカテゴリーである UHT(Ultra High Temperature:超高温殺菌)部門のビジネスに力を注ぐために登録されました。 テトラパックは、Dairy Plus と 25 年以上の協働実績があります。

課題: 低迷する市場への対処

Dairy Plus の成長には目を見張るものがあります。 同社は、2001 年までに 1 年あたり 5 億 7000 万本の容器を生産し、2005 年には、市場シェアの約 95% にもなる 8 億 4000 万本にまで生産本数を伸ばしました。 しかし、2006 年頃から、飲むヨーグルトに含まれる糖分の高さに関して否定的な報道が相次いだことで、このカテゴリーの市場に低迷の兆しが見え始めました。 それと同時に、Dutch Mill の飲むヨーグルトのポートフォリオは 7 つのプラットフォームと 30 を超える SKU を含むまでに成長しており、さらに、生乳の卸売原価が高騰していたために、価格引き上げへの圧力がありました。 Dairy Plus が 125ml パッケージの価格を 6 ~ 7 バーツへ引き上げると、売り上げはさらに下降しました。

低所得者層へのターゲッティング

Dairy Plus と協働していた当社は、3800 万人いると見込まれた低所得層の消費者へのターゲッティングを重視することを決定しました。 これは、地方に暮らす低所得者層を引き込むと同時に、近代的な都市部の販売店での売り上げを維持することを意味していました。 配送網は既に存在しましたが、問題は価格でした。 製品が広く受け入れられるためには、個人が 1 コインで購入できる低価格 (タイの貨幣では 5 バーツまたは 10 バーツ) が理想であると考えられました。 しかしそれは、高速生産が可能な機器、適切な容器サイズおよびプロモーション キャンペーン、Dairy Plus と小売業者に一定の利益率をもたらせるかどうかにかかっていました。

ポートフォリオと容器サイズを抑えた新たなスタート

2009 年、4 つのプラットフォームと 20 の SKU を含んだポートフォリオが発表されました。そこでは、ターゲットとする消費者 (5 歳以上の子供および 35 歳以下の若者) を変えずに範囲を狭め、さらに、新しいフルーツ風味の追加、脂肪のカット、ビタミン類の追加などが盛り込まれました。 特に、容器のサイズと容量には大きな変化がありました。 125ml 容器は、90ml を充填できる Tetra Brik® Aseptic (テトラ・ブリック・アセプティック) 100ml ベースに置き換えられ、最も販売数の多いテトラ・ブリック・アセプティック 200ml スリムに充填される製品の量は 180ml に抑えられました。 これにより、Dutch Mill は製品の価格をそれぞれ 5 バーツと 10 バーツに設定できました。 それに続き、新しい容器の「手ごろなサイズ」を強調し、甘味やキャンディに代わる栄養食品として母親向けに製品をアピールした TV キャンペーンは成功を収めました。 ダイレクトメールや屋外広告などのプロモーションがこれを後押ししました。 売上への影響はすぐに表れました。 2009 年 11 月から 12 月の間に 100ml 容器の売り上げは 4 倍以上にまで増加し、2010 年には 3 億 4200 万本が販売されました。それ以降も売上本数は安定して増加し、2016 年には 6 億 8000 万本にまで達しました。

低コストを維持し、拡大を後押しする積極的な協力関係

新しい低価格設定を長期間維持することは非常に重要でした。 これは、規模の経済を維持するために大規模な物量を配送し、利益率を維持するためにコストを最小限に抑えなければならないことを意味します。 テトラパックは Dairy Plus と密接に協働し、初期の支出と現行の操業コストを可能な限り低く維持しています。 パッケージを 125ml から 100ml に変更した 2009 年と 2010 年には、テトラパックは Dairy Plus が既に稼働させていた 12 機の Tetra Pak® TBA/19 充填機を 6 か月の間に生産ロスなく転用し、新しいパッケージ サイズを展開する際に大規模な投資を行う必要性を排除することに成功しました。

Dutch Mill の次の一手

5 バーツという価格のおかげで、Dutch Mill の飲むヨーグルトは、以前は大豆飲料やフレーバー ウォーター飲料の選択肢が限られていた消費者も手が届く価格になりました。 2012 年、テトラパックは Dairy Plus がフィリピンに飲むヨーグルトの輸出を始められるよう、市場情報と窓口を提供しました。現在までに、同社はフィリピン市場で 100ml パッケージを 2 億本以上売り上げています。 現在テトラパックは同社と協力して、インドでの生産開始や、インドネシア、カンボジア、ラオスの輸出市場開拓に取り組んでいます。どの取り組みも、生産コストを低く維持することによって実現されます。